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第20巻 第10号 1987年10月 [目次] [全文 ( PDF 339KB)]
特集

多臓器障害としての出血性胃病変

真辺 忠夫, 大塩 学而, 野中 敦, 平野 鉄也, 記井 英治, 戸部 隆吉

京都大学医学部第1外科

 多臓器障害(multiple organ failure;MOF)は手術症例の2.8%(85/3,027)にみられたが,このうち43.5%(37例)に胃出血がみられ,肝障害に続発すること(19/37,51.4%)が多かった.胃出血例では肝不全,腎不全,肺不全,disseminated intravascular coagulation(DIC)を併発し,その予後は極めて不良であった.実験的肝障害家兎ではstressによる胃血流低下が遷延し,防御因子の低下がMOFの胃出血の原因と考えられた.H2拮抗剤の予防的投与はMOFにおける胃病変の発生を抑制すると考えられることから胃出血に対しては予防的対策が重要と考えられた.

索引用語
多臓器障害, 胃出血, 胃血流低下

日消外会誌 20: 2451-2454, 1987

別刷請求先
真辺 忠夫 〒606 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部第1外科

受理年月日
1987年6月8日

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