原著
食道・頭頸部重複癌21例の検討
関 誠, 松原 敏樹, 大橋 一郎, 中川 健, 木下 巌, 高木 国夫, 西 満正, 梶谷 鐶, 内田 正興*
癌研究会附属病院外科, 同 頭頸科*
食道と頭頸部管腔臓器とは,同じ扁平上皮からなり,重複癌の頻度が高く,治療上の関連が深い.食道と頭頸部重複癌21例について,頭頸部癌の部位,食道癌と頭頸部癌の治療開始時期の間隔,頭頸部癌治療後の食道癌手術の問題点,および予後について検討した.
食道と頭頸部重複癌において,頭頸部癌の部位では,咽頭.口腔に多くみられた.治療開始時期の間隔では,3年以内が81%を占めた.さらに,頭頸部癌術後の食道癌の手術には,癒着,永久気管孔などの治療上の制約があり,術後合併症も多い.頭頸部癌術後の食道癌治療例の予後は,1年生存率40%と比較的不良であり,合併療法も含めた,今後の検討を要する.
索引用語
食道の重複癌, 食道と頭頸部の重複癌
日消外会誌 20: 2482-2487, 1987
別刷請求先
関 誠 〒171 豊島区上池袋1-37-1 癌研究会附属病院外科
受理年月日
1987年5月13日
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