原著
胸部食道癌リンパ節転移のcomputed tomography診断―大きさからみた診断基準の検討―
松原 敏樹, 木下 巌, 西 満正
癌研究会附属病院外科
胸部食道扁平上皮癌137例を対象として,摘出リンパ節の術前computed tomography(CT)所見と転移との関係を調べた.転移陽性例と陰性例のリンパ節像の大きさの累積分布を求め,これに基いて最適な診断の基準を求め,またその診断精度について検討した.リンパ節の腫大の程度,最適な診断の閾値,CTの転移診断能はいずれもリンパ節部位別に異っていた.正診率が最大となる診断の閾値は左傍気管6 mm,右上縦隔最上7 mm,左気管気管12 mm,気管分岐下11 mm,胃上部周囲7 mmであった.CT診断能は左傍気管が最も良好で,次いで右上縦隔最上,胃上部周囲,気管分岐下の順であり,左気管気管支リンパ節では不良であった.
索引用語
食道癌リンパ節転移, リンパ節転移のCT診断, 胸部食道癌
日消外会誌 20: 2494-2500, 1987
別刷請求先
松原 敏樹 〒170 豊島区上池袋1-37-1 癌研究会附属病院外科
受理年月日
1985年5月13日
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