原著
新潟市における消化性潰瘍穿孔手術例の検討
薛 康弘, 松原 要一, 田宮 洋一, 高桑 一喜, 松尾 仁之, 吉田 正弘, 加藤 知邦, 三浦 宏二, 中村 茂樹, 武藤 輝一
新潟大学第1外科
消化性潰瘍穿孔に対する外科治療の実態を知るために,新潟市の穿孔手術例を調査した.手術数は,1976年から1981年までの6年間(前期)は平均34例/年であったが,H2受容体拮抗剤が登場した1982年から1985年までの4年間(後期)は平均41例/年で,後期は前期の121%であった.穿孔例のうち1981年から1985年までの5年間に手術が施行された195例について臨床的に検討した.広範囲胃切除術が170例(87%)に施行され,死亡率は3.1%であった.予後規定因子は年齢,術前ショックの有無,併存症の有無,および穿孔から手術までの時間であった.
索引用語
消化性潰瘍穿孔, 潰瘍穿孔の推移, 潰瘍穿孔の予後規定因子
日消外会誌 20: 2508-2515, 1987
別刷請求先
薛 康弘 〒951 新潟市旭町通1-757 新潟大学医学部第1外科
受理年月日
1987年5月13日
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