原著
Computed tomographyを用いた原発性肝細胞癌に合併する門脈内腫瘍栓の診断―血管造影と対比して―
近森 文夫*, 高安 賢一, 村松 幸男, 森山 紀之, 石川 勉
国立がんセンター病院放射線診断部, *現 筑波大学臨床医学系外科
原発性肝細胞癌に合併する門脈内腫瘍栓(n=28)の存在診断ならびに進展度診断について,computed tomography(以下,CT)と血管造影所見とを比較検討した.門脈内腫瘍栓のCT所見として,1)門脈拡張を93%(26/28),2)門脈内低吸収領域を96%(27/28),3)門脈内陰影欠損を43%(12/28),4)cavernous transformationを43%(12/28),5)lobar attenuation differenceを50%(14/28),6)periportal enhancementを25%(7/28)に認めた.そして,血管造影検査で認められた門脈内腫瘍栓の存在ならびに進展度についてCTを用いた診断率はおのおの100%(28/28),96%(27/28)であった.
索引用語
原発性肝細胞癌, 門脈内腫瘍栓
日消外会誌 20: 2555-2560, 1987
別刷請求先
近森 文夫 〒300-31 茨城県新治郡桜村並木2-107-301
受理年月日
1987年5月13日
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