原著
直腸癌手術後の局所再発の診断と治療
加藤 知行, 坂本 純一, 安井 健三, 森本 剛史, 山村 義孝, 安江 満悟, 紀藤 毅, 加藤 王千, 宮石 成一, 中里 博昭
愛知県がんセンター消化器外科
直腸癌手術後の局所再発112例を対象として,局所再発の診断と治療について検討した.局所再発の初徴は全例の72%が2年以内に出現しており,会陰部の疼痛,腫瘤触知など会陰局所の症状が68.6%を占めていた.局所再発全例の50%生存期間は12カ月であるが,治療例の生存期間中央値は13カ月で,無治療例の7カ月よりも長い.保存的治療法では放射線療法と化学療法の併用例の成績が良く,有効例の生存期間中央値は1年6カ月である.1981年以後の治癒を目指した再手術例では18例中11例が生存しており,その中央値は2年10カ月であるが,再手術後の再再発予防のために放射線治療や化学療法などを加えた集学的治療が必要である.
索引用語
直腸癌の局所再発, 直腸癌局所再発の診断, 直腸癌局所再発の治療, 直腸癌局所再発の集学的治療, 直腸癌局所再発の手術
日消外会誌 20: 2584-2592, 1987
別刷請求先
加藤 知行 〒464 名古屋市千種区鹿子殿1-1 愛知県がんセンター消化器外科
受理年月日
1987年5月13日
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