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第20巻 第12号 1987年12月 [目次] [全文 ( PDF 721KB)]
原著

経腹的食道離断術後の下部食道括約筋機能―EEA使用例の食道内圧所見を中心にして―

中川 辰郎

東京慈恵会医科大学第1外科(指導:桜井健司教授)

 経腹的食道離断術(EEA使用)を施行した25例を対象とし,下部食道括約筋機能,食道運動,術後嚥下障害について食道内圧測定,内視鏡観察より検討した.術前の下部食道括約筋圧(LESP)は28.1±5.1 cmH2Oと正常であるが,下部食道括約筋長(LESL)は38.1±7.9 mmと短縮していた.LESPは術後2週で11.1±2.1 cmH2O,2年で24.2±5.8 cmH2Oと有意に低下したが,嚥下障害は術後6カ月以内に消失した.吻合部狭窄は,術後1カ月で45%,2年で10%に減少した.ステイプル露出は,1カ月で27%,2年で22%であった.食道運動障害は,下部食道の陽性波高の低下,陽性波発現時間の遅延によるもので,術後8週に回復した.LESPの術後の長期低下は,ステイプル露出が影響していると思われた.

索引用語
経腹的食道離断術, EEA機械吻合器, 食道内圧測定, 食道運動機能

日消外会誌 20: 2689-2695, 1987

別刷請求先
中川 辰郎 〒105 港区西新橋3-25-8 東京慈恵会医科大学第1外科

受理年月日
1987年6月8日

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