原著
Albert-Lembert法およびGambee法における小腸吻合部組織血流量について―脱血負荷黄疸犬を中心に―
新井 善雄, 浅沼 義博, 大内 慎一郎, 鹿嶋 秋五, 小山 研二
秋田大学医学部第1外科
閉塞性黄疸時の消化管吻合法を評価するため,雑種成犬の小腸にAlbert-Lembert法とGambee法吻合を施行し,脱血負荷も加えて,組織血行動態の変化および組織像について検討した.その結果,正常小腸組織血流量は97.8±15.5 ml/min/100 g(n=16)であるが,黄疸犬では72.3%(n=6)に減少し,さらに脱血により著減するが,還血しても組織血流は回復しなかった.脱血後3日,7日を経た検索では,脱血犬の組織血流回復は遅延し,黄疸例では特に顕著で,Gambee法では,正常小腸の61.3%(n=4),Albert-Lembert法では51.9%(n=4)であった.また,黄疸,脱血の有無を問わず,Gambee法はAlbert-Lembert法よりも良好な組織血流を保持しており,循環障害の回復は良好と考えられた.
索引用語
閉塞性黄疸, 組織血流量, Gambee法, Albert-Lembert法
日消外会誌 20: 2730-2734, 1987
別刷請求先
新井 善雄 〒010 秋田市本道1-1 秋田大学医学部第1外科
受理年月日
1987年6月8日
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