原著
胃悪性リンパ腫手術例の検討
安部 雅夫, 岡本 堯, 本橋 久彦, 武宮 省治, 杉政 征夫, 西連寺 意勲, 小林 理
神奈川県立がんセンター外科
1965年から1985年までの21年間に経験した胃悪性リンパ腫手術例30例につき検討した.胃悪性腫瘍手術例に対する頻度は1.2%であった.腫瘍の存在部位は下部(以下A),中部(以下M)領域に80%存在し,肉眼型は潰瘍形成型が78%を占めた.組織型はびまん性リンパ腫が77%を占めた.リンパ節転移別5年生存率はn(-)83%,n1(+)69%,n2(+)33%で,n2(+)は術後生存率が不良であった.胃癌取扱い規約を準用したstage別5年生存率はstage I,IIは80%,76%と良好なのに対し,stage III,IVは33%,50%で不良の傾向にあった.胃悪性リンパ腫の術後遠隔成績を反映した適当な病期分類は,今回の検討よりstage I,IIを1期,stage III,IVを2期とすることが妥当である.
索引用語
胃悪性リンパ腫, 胃悪性リンパ腫の手術, 胃悪性リンパ腫病期分類
別刷請求先
安部 雅夫 〒232 横浜市南区浦舟町3-46 横浜市立大学医学部第1外科
受理年月日
1987年10月14日
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