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第21巻 第1号 1988年1月 [目次] [全文 ( PDF 555KB)]
原著

肝転移胃癌の検討―とくに髄様型低分化腺癌と核DNAとの関連について―

曽和 融生, 加藤 保之, 芳野 裕明, 前田 弘文, 西村 昌憲, 紙野 建人, 梅山 馨

大阪市立大学第1外科

 開腹時肝転移胃癌138例を検索対象とした.病巣占居部ではA領域が多く,肉眼形態では1型2型の限局型17例中13例(76.5%)が,H2,H3症例で,限局型に肝転移高度例が多かった.組織所見では低分化型が41例(58.6%)で,そのうち髄様性増殖を示すものが29例(70.7%)と高率であった.また,分化型では乳頭腺癌像を示すものが多かった.肝転移胃癌細胞核DNAパターンはII,III型を示し,4C以上のpolyploid cell出現頻度は50.7%と非肝転移胃癌に比べ差がみられた.H1例の胃切除群の予後は非切除群に比べ良好であったが,H2・H3症例では両者間に差はみられなかった.

索引用語
肝転移胃癌, 胃癌細胞核DNA, 髄様型低分化腺癌

日消外会誌 21: 32-37, 1988

別刷請求先
曽和 融生 〒545 大阪市阿倍野区旭町1-5-7 大阪市立大学医学部第1外科

受理年月日
1987年9月9日

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