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第21巻 第1号 1988年1月 [目次] [全文 ( PDF 632KB)]
原著

術前照射・抗癌剤局注併用療法による直腸癌巣の効果

更科 広実, 轟 健1), 折居 和雄1), 大津 裕司2), 岩崎 洋治1)

千葉大学医学部第1外科, 1)筑波大学臨床医学系外科, 2)放射線医学研究所生理病理研究部

 進行直腸癌に対する術前照射療法の治療効果を高めるため,抗癌剤の腫瘍内局注併用法を施行した.その治療効果を比較するため,非照射25例,照射単独15例,局注併用21例の切除標本を用い癌巣の分布を比較した.照射前の注腸X線像をもとに壁深達度の改善が著しいと判定された症例は,照射単独例4例(26.7%),局注併用例11例(52.4%)であった.それぞれの組織構築図を作製し検討した結果では,局注併用例は照射単独例に比べ,壁外浸潤(a1以上)とew 2 mm以下の範囲がより狭くなっている傾向が示唆された.さらに局注併用例のうち著しい照射効果のみられた症例では,癌胞巣の退行性変化(のう胞状病変など)が広く認められた.

索引用語
直腸癌, 直腸癌術前照射療法, 直腸癌抗癌剤局注療法

日消外会誌 21: 91-96, 1988

別刷請求先
更科 広実 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第1外科

受理年月日
1987年9月9日

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