原著
肝細胞癌再発例の検討
泉 良平, 小林 弘信, 谷屋 隆雄, 藪下 和久, 渡辺 俊雄, 大堀 功, 清水 康一, 小西 孝司, 宮崎 逸夫
金沢大学第2外科
肝細胞癌切除44例での再発を,病期や肝癌取扱規約での各因子について検討した.再発に有意に関連するものはStage,手術での根治性,門脈腫瘍塞栓,腫瘍径であった.肝切除容量では,小範囲切除術であるHrO,Sで有意差はないまでも再発が低い傾向にあった.被膜形成や組織学的な被膜浸潤の有無については,再発と関連はみられなかった.再発例にはTAE,肝動脈内注入化学療法,再切除術が行われた.再発に対する治療例と非治療例との間には生存率に有意差を認め,廷命効果が認められた.肝細胞癌に対する肝切除術では,肝癌の進行度に応じた適切な術式が重要であり,さらに早期に再発を診断,治療することが廷命効果につながる.
索引用語
肝細胞癌, 肝切除後再発率, 肝再切除術
別刷請求先
泉 良平 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科
受理年月日
1987年11月18日
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