原著
胆石症における傍乳頭部憩室の意義について
窪田 敬一, 伊藤 徹, 柴山 和夫, 小菅 智男, 島田 和明, 野村 祐二, 出月 康夫
東京大学第2外科
教室で経験した胆嚢結石症423例,総胆管結石症146例における傍乳頭部憩室の形態学的特徴および乳頭部機能を検討した.憩室は胆嚢結石症の6.9%,総胆管結石症の22.6%に合併し,両疾患群において,乳頭口側に多く認められた.また,乳頭口側に憩室がある症例で総胆管径が大きい傾向にあった.
胆道内圧測定による乳頭部機能の検討では,憩室を合併した胆嚢結石症例の多くは正常な乳頭部機能を呈したが,一部の症例では低下していることが判明した.また,憩室を合併した総胆管結石症例では乳頭部機能不全,すなわちOddi氏筋緊張低下が特徴的所見であった.
索引用語
傍乳頭部憩室, 総胆管結石症, 乳頭部機能不全, 胆道内圧測定
別刷請求先
窪田 敬一 〒113 文京区本郷7-3-1 東京大学医学部第2外科
受理年月日
1987年11月18日
 |
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|