原著
上腹部の自律神経叢切離およびリンパ流障害が血糖値とinsulin分泌に与える影響について
高江洲 裕, 二村 雄次, 早川 直和, 安井 健三, 大塚 光二郎, 塩野谷 恵彦
名古屋大学医学部第1外科
上腹部の自律神経叢切離およびリンパ流障害が血糖値とinsulin分泌に与える影響について検討した.麻酔下で対照群(C群),迷走神経幹切離群(V群),上腹部の自律神経叢切離とリンパ管閉塞群(D群),上腹部の自律神経叢切離とリンパ漏群(DL群)の4群をイヌで作製し,十二指腸内ブドウ糖負荷試験を行った.血糖およびinsulh基礎値は4群とも100 mg/ml,25 µu/ml前後であった.糖負荷後60分で血糖(C群:165±13,V群:167±20,D群:212±18,DL群:136±20 mg/dl)およびinsulin(C群:74±9,V群:63±14,D群:386±35,DL群:276±66 µu/ml)は頂値に達した.上腹部の自律神経叢切離はinsulin分泌を促進することが示唆された.
索引用語
上腹部の自律神経叢切離, insulin分泌, 十二指腸内ブドウ糖負荷試験, リンパ流障害
別刷請求先
高江洲 裕 〒903-01 沖縄県中頭郡西原町字上原207 琉球大学医学部第1外科
受理年月日
1987年11月18日
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