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第21巻 第4号 1988年4月 [目次] [全文 ( PDF 1117KB)]
原著

食道癌の術後3カ月以内死亡例の検討―全国集計について―

城所 仂, 渡部 洋三, 矢ケ崎 喜三郎

順天堂大学第1外科, 現・国際親善病院

 食道癌の術後3カ月以内死亡例についてアンケートによる全国集計を行い,その調査結果について詳細に検討したので報告する.
 回答施設数は93で,術後3カ月以内死亡例は10,129例中1,396例(13.8%)で,このうち他病死は1,026例(73.3%),原病死は317例(22.6%)であった.他病死群の死因は,肺炎,膿胸などの呼吸器系合併症が53.8%を占め,術前合併疾患の併存率は原病死群との間に差がみられなかったことより術後管理の重要性が示唆された.原病死群の死因は血行転移が43.2%,癌性胸,腹膜炎が28.7%であり,このような症例と気管,大動脈に癌浸潤がみられる例および遠隔リンパ節転移が明らかな例は,手術適応に関して慎重でなければならない.

索引用語
食道癌, 術後3カ月以内死亡例, 食道癌他病死, 食道癌原病死, 食道癌全国集計

日消外会誌 21: 1003-1014, 1988

別刷請求先
渡部 洋三 〒113 文京区本郷2-1-1 順天堂大学医学部第1外科

受理年月日
1987年12月9日

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