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第21巻 第4号 1988年4月 [目次] [全文 ( PDF 368KB)]
特集

胆道癌の遠隔成績からみた外科治療上の問題点と対策

吉川 達也, 羽生 富士夫, 中村 光司, 今泉 俊秀, 大橋 正樹, 鈴木 衛, 三浦 修, 江口 礼紀, 梁 英樹, 新井田 達雄, 延島 茂人, 松山 秀樹

東京女子医科大学消化器病センター外科

 胆道癌切除例229例の遠隔成績を検討し,その問題点と対策について考察した.乳頭部癌の遠隔成績は5生率45%と胆道癌の中では比較的良好であったが14リンパ節再発が16%にみられ,同部の十分な郭清が重要である.胆嚢癌,胆管癌の5生率はそれぞれ35%,22%と極めて不良であった.治癒切除率はそれぞれ50%,23%にすぎず,非治癒切除となった因子の多くは局所因子で,しかも再発様式が確認できた症例のそれぞれ84%,74%に局所再発がみられた.これらの事実から,胆管癌ではsurgical marginにおける癌遺残をなくすためのより広範な切除,胆嚢癌では,これに加え広範なリンパ節郭清が必要である.更に胆嚢,胆管癌では時には肝十二指腸間膜一括切除も考慮する必要がある.

索引用語
胆道癌, 胆道癌の外科治療, 胆道癌遠隔成績

日消外会誌 21: 1179-1182, 1988

別刷請求先
吉川 達也 〒162 新宿区河田町8-1 東京女子医科大学消化器病センター外科

受理年月日
1987年10月12日

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