特集
Living donorを用いたイヌ部分肝移植の実験的研究
佐々木 睦男, 宮城島 堅, 伊坂 直紀, 森 達也, 森田 隆幸, 福島 貴, 川村 勝, 朝倉 靖夫, 今 充, 小野 慶一
弘前大学第2外科
Living donorを用いた部分肝移植実験はdonor確保や移植のタイミングを選択する上で有用であり,イヌを用いた実験で以下の成績を得た.肝左葉(左中心葉,左外側葉)を移植片とした場合,azathioprine群では44例中10例が7日以上生存したが,全例肝不全で死亡しその最長生存は8日であった.一方,ciclosporin群8例中5例が7日以上生存し,その最長生存は40日であった.ドナーの生存実験では15例中8例は3週以上生存し,生体内選択的肝左葉灌流は臨床的に応用可能と考えられた.今後,免疫抑制療法と感染症対策が長期生存のキーポイントであると思われた.
索引用語
部分肝移植, ciclosporin, 拒絶反応
日消外会誌 21: 1203-1206, 1988
別刷請求先
佐々木睦男 〒036 弘前市本町53 弘前大学医学部第2外科
受理年月日
1987年9月28日
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