原著
胆嚢摘出術後の病理検索にて診断された胆嚢癌に対する二期手術例の検討
川口 英弘, 岡村 直孝, 吉田 奎介, 白井 良夫, 篠川 主, 福田 喜一, 土屋 嘉昭, 武藤 輝一, 内田 克之*
新潟大学第1外科, 同 第1病理*
当科で経験した胆嚢癌二期手術例10例を対象とし,二期手術の妥当性と選択すべき術式につき検討した.腫瘍の主占居部位が胆嚢に限局(胆嚢管非浸潤例)している深達度ss以上の進行癌症例(5例)では,胆嚢摘出術に肝床・胆管切除+2群リンパ節郭清を加えることで治療成績の向上が期待できるものと考えられたが,胆嚢管浸潤例(5例)では予後不良であり,膵頭十二指腸切除+肝切除+3群リンパ節郭清が適応されるべきと考えられた.また手術侵襲の程度を一期手術例と比較したが,手術時間・出血量・術後の経口摂取開始日・術後合併症・術後入院期間においては差は認められず,この点からも積極的に二期手術を施行すべきであると考えられた.
索引用語
胆嚢癌二期手術, 胆嚢摘出術+肝床, 胆管切除+2群リンパ節郭清, 膵頭十二指腸切除+肝切除+3群リンパ節郭清
日消外会誌 21: 1253-1258, 1988
別刷請求先
川口 英弘 〒951 新潟市旭町通1-754 新潟大学医学部第1外科
受理年月日
1988年1月13日
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