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第21巻 第5号 1988年5月 [目次] [全文 ( PDF 1063KB)]
原著

遊離部分膵に対する体外分割照射に関する実験的研究

下沢 英二

北海道大学医学部第2外科教室(指導:田辺達三教授)

 膵部分切除後の残存膵に対する体外分割照射が内分泌機能に与える影響を知る目的で,雑種成犬を用いて60%膵切除を行い,術後3週間を経た時点で臨床効果30 GYおよび60 GY相当の体外分割照射を行って切除単独群と比較検討した.3カ月時の耐糖能は血糖消失率K値で切除単独群1.32±0.33,30 GY群1.07±0.58,60 GY群1.03±0.55といずれも境界型を示した.しかし照射の有無および量による影響はなかった,電顕像の計量組織学的検索では実験群でInsulin顆粒の増加と同顆粒のVolume Densityの増加(正常対照10.6,切除単独群14.1,30 GY群26.9,60 GY群22.4)がみられた.60%膵切除・照射後3カ月時にみる限り,照射による内分泌機能への影響は認められなかった.耐糖能保時の因子としてラ島機能の亢進が考えられた.

索引用語
膵切除, 膵照射, ラ島機能, 膵内分泌機能, 計量組織学

日消外会誌 21: 1259-1268, 1988

別刷請求先
下沢 英二 〒060 札幌市北区北14条西5丁目 北海道大学医学部第2外科

受理年月日
1988年1月13日

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