原著
Borrmann 4型胃癌の臨床病理学的特徴と術後遠隔成績に影響を与える因子についての検討
加藤 道男, 船坂 真里, 島田 悦司, 吉川 恵造, 中村 毅, 斉藤 洋一, 片山 和夫1)
神戸大学医学部第1外科, 塩野義解析センター1)
昭和40年7月から昭和61年6月までの21年間の胃癌初回切除例で単発であった1,225例を対象とし,この全体例とBorrmann 4型胃癌111例とを臨床的および病理学的項目について比較検討した.4型胃癌では男女比1:1.31と女性が多い,組織型ではporとsigの未分化型が85.7%と多い,stage III,IVの病期の進行した症例が両者で97.3%と多い,非治癒切除例が55.8%と多く,さらに同一のstageにおいて対照例と比較しても術後遠隔成績が不良であり,4型胃癌そのものが悪性度を示すと考えられた.
また4型胃癌の術後遠隔成績に影響を与える因子についてCoxの比例ハザードモデルを用いて検索した結果,根治度,漿膜面浸潤の程度,性別,術中輸血の有無の4因子が重要な予後因子であった.
索引用語
胃癌, Borrmann 4型胃癌, 胃癌術後成績, 多変量解析, 比例ハザードモデル
日消外会誌 21: 1946-1952, 1988
別刷請求先
加藤 道男 〒650 神戸市中央区楠町7-5-2 神戸大学医学部第1外科
受理年月日
1988年3月9日
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