原著
バルーン付き胆道カテーテルを用いた選択的乳頭部機能評価―胆管系の容積と弾性の胆道内圧測定に及ぼす影響について―
窪田 敬一, 柴山 和夫, 伊藤 徹, 野村 祐二, 島田 和明, 小菅 智男, 出月 康夫
東京大学第2外科
胆嚢結石症例において,術中にバルーン付き胆道カテーテルを使用し胆管の容積と弾性が胆道内測定にどのような影響を与えるのか検討した.胆道内圧測定はバルーン収縮時と拡張時に行った.その結果,静止圧,残圧,たちあがり時間および回復時間は胆管系の容積と弾性の影響を受け,乳頭部機能の指標になりにくいと考えられた.一方,灌流圧は胆管の容積と弾性の影響を受けず,胆管末端部出口抵抗により規定され,その通過性をよく表現すると考えられた.
乳頭部機能を選択的に評価するには胆管の容積と弾性の影響を除くことが必要であり,バルーン付き胆道カテーテルの使用は有効であることが示唆された.
索引用語
バルーン付き胆道カテーテル, 乳頭部機能, 胆道内圧測定, 術中胆道精査法, Oddi括約筋
日消外会誌 21: 1995-2001, 1988
別刷請求先
窪田 敬一 〒113 文京区本郷7-3-1 東京大学医学部第2外科
受理年月日
1988年3月9日
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