原著
閉塞性黄疸時の耐糖能,膵内分泌能に関する臨床的研究
森脇 稔
順天堂大学第1外科(指導:榊原 宣教授)
閉塞性黄疸時の耐糖能,膵内分泌機能を研究する目的で,閉塞性黄疸患者18例に経静脈的ブドウ糖負荷試験,16例にarginine負荷試験を施行した.これらの症例を血清総bilirubin 10.0 mg/dl以下と 10.1 mg/dl以上に分け,比較検討し,また,10.1 mg/dl以上の3例と10.0 mg/dl以下の4例では,減黄後の変化についても検討した.その結果,血清総bilirubin 10.0 mg/dl以下でも耐糖能の低下とinsulinの低分泌を認め,黄疸が高度になるとこの傾向はさらに著明となったが,膵glucagonは血清総 bilirubin 10.1 mg/dl以上になってはじめて高分泌反応を示した.減黄後は膵glucagon分泌の正常化に比べて,insulin低分泌の回復は遅延する傾向がみられた.
索引用語
閉塞性黄疸時インスリン, 閉塞性黄疸時耐糖能, 膵内分泌機能, 膵グルカゴン
日消外会誌 21: 2002-2010, 1988
別刷請求先
森脇 稔 〒113 文京区本郷3-1-3 順天堂大学医学部第1外科
受理年月日
1988年3月9日
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