小腸潰瘍切除例の病理組織学的検討

松下　昌裕, 蜂須賀　喜多男, 山口　晃弘, 磯谷　正敏, 加藤　純爾, 神田　裕, 小田　高司, 原川　伊寿, 久世　真悟, 真弓　俊彦, 村上　文彦, 坪根　幹夫^1）

大垣市民病院外科, 同　中央検査室病理^1）

　小腸潰瘍切除例34例を病理組織学的に検討した．小腸潰瘍を，1）確診例，2）疑診例，3）原因推定因難例の3群に分類し，確診例では結核4例，Crohn病5例，結節性動脈周囲炎1例，回腸末端炎2例，Behçet病1例，外力による潰瘍7例であり，疑診例では結核疑診例8例，虚血性腸炎疑診例1例であり，原因推定困難例は5例であった．潰瘍の数は単発11例，多発23例であり，発生部位は回腸末端12例，回腸24例，空腸2例で，それぞれ疾患別に大きな差はなかった．主な肉眼型は輪状潰瘍15例，縦走潰瘍7例，円形あるいは多角形潰瘍5例，不整形潰瘍7例で，結核は輪状潰瘍，Crohn病は縦走潰瘍，Behçet病，成因不明の潰瘍は円形あるいは多角形潰瘍という特徴が認められた．

索引用語
小腸潰瘍, 小腸潰瘍肉眼型, 小腸潰瘍組織型, 小腸潰瘍分類

別刷請求先
松下　昌裕　〒503　大垣市南頬町4-86　大垣市民病院外科

受理年月日
1988年3月9日

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