原著
Crohn病手術症例の検討
東郷 杏一, 奥野 匡宥, 池原 照幸, 本吉 宏行, 加藤 保之, 大平 雅一, 長山 正義, 由井 三郎, 梅山 馨
大阪市立大学第1外科
当科で外科的治療が行われたCrohn病9例の手術適応および手術成績について検討した.病型分類は小腸型3例,小腸大腸型5例,大腸型1例であり,手術適応は穿孔2例,瘻孔2例,難治性狭穿2例,S状結腸癌疑診1例,盲腸単純性潰瘍1例,内科的治療抵抗1例であった.手術術式は全例に主病巣の腸管切除がなされた.穿孔2例はともに術前1カ月以上におよぶtotal parenteral nutritionを受けていたが,病態の改善をみることなく穿孔した.瘻孔2例は1例が回腸臍瘻であり,1例が回腸S状結腸瘻および回腸膀胱瘻であった.痔瘻を有する症例では再発率,再手術を要する率が高かった.術後は7例においてほぼ満足する社会生活を営んでいた.
索引用語
Crohn病穿孔, Crohn病瘻孔, Crohn病手術成績
日消外会誌 21: 2019-2024, 1988
別刷請求先
東郷 杏一 〒545 大阪市阿倍野区旭町1-5-7 大阪市立大学医学部第1外科
受理年月日
1988年3月9日
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