原著
胸部食道癌の転移リンパ節個数の検討
馬場 政道, 吉中 平次, 田辺 元, 草野 力, 牟礼 洋, 榎本 稔美, 夏越 祥次, 喜入 厚, 福元 俊孝, 愛甲 孝, 島津 久明
鹿児島大学医学部第1外科
右開胸開腹でR2以上の郭清を行い,リンバ節転移陽性であった胸部食道癌93例を対象として,転移数の観点からリンパ節郭清の意義を検討した.リンパ節転移1個であった27例の部位は,頭部2例,胸腔内13例,腹腔内12例であった.No.106,101,104を右・左にわけると,転移5個以下で右側の転移18例,左側3例に対し,転移6個以上では右側15例,左側19例であった.転移個数の増加に伴い頸部・上縦隔の左側に位置するリンパ節群の転移頻度が高くなった.なかでも,左No.106転移陽性例では,再発も多く,3年生存例もなく,右No.106にくらべ予後不良であった.3年生存例は転移8個まで,5年生存例は転移5個までの症例であり,転移3個以内の5年生存率は30%であった.
索引用語
胸部食道扁平上皮癌, 胸部食道癌のリンパ節転移, 食道癌リンパ節転移個数
日消外会誌 21: 2069-2074, 1988
別刷請求先
馬場 政道 〒890 鹿児島市宇宿町1208-1 鹿児島大学医学部第1外科
受理年月日
1988年4月13日
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