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第21巻 第8号 1988年8月 [目次] [全文 ( PDF 631KB)]
原著

食道静脈瘤併存肝細胞癌における肝切除術前後の静脈瘤変化および出血予知に関する検討

牧野 弘之, 弘中 武, 園山 輝久, 鴻巣 寛, 塚本 賢治, 野中 雅彦, 山岸 久一, 岡 隆宏

京都府立医科大学第2外科

 肝硬変を有する肝細抱癌(以下肝癌)肝切除例67例において,肝切除の前後での食道静脈瘤の変化を観察するとともに,術後の静脈瘤出血に関連する項目について多変量解析を用い検討した.CBRC(+),CBF2 or F3RC(-)の静脈瘤は術後1年以内に破裂出血する可能性が高く出血高危険群と考えられ,これは術後出血と最も関連するのは術前の内視鏡所見であるという多変量解析の結果とも一致した.大量肝切除は出血につながる危険性を有するが,肝硬変の程度,肝癌再発,TAEと出血との関連は弱い.内視鏡的硬化療法は静脈瘤出血に有効であり,食道静脈瘤併存肝癌の手術適応の拡大,予後向上に寄与している.

索引用語
肝細胞癌, 食道静脈瘤出血, 肝切除

日消外会誌 21: 2121-2126, 1988

別刷請求先
牧野 弘之 〒602 京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465 京都府立医科大学第2外科

受理年月日
1988年4月13日

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