原著
肝門部胆管癌手術症例の検討
別府 真琴, 土居 貞幸, 呉 教東, 藤本 憲一, 谷口 積三
県立西宮病院外科
肝門部胆管癌手術症例11例につき検討を行った.11例のうち5例は姑息的内瘻術に終ったが,予後は平均12.8カ月(最長26カ月)で治癒切除可能症例が含まれていたことが示唆された.また切除例は6例で,乳頭浸潤型1例を除き,5例が結節浸潤型ですべてV因子陽性でStage IIIまたはIVであった.V因子陽性5症例中,4例は左または右の片側浸潤で,3例に血管浸潤側肝葉切除を施行し,そのうち左尾状葉合併切除を伴う左葉切除術(治癒切除)を施行した症例は6年8カ月後再発なく健在である.残り1例はV3(Arh)で肝門部切除術,右肝動脈切断を行ったが,肝不全で失った.そして結節浸潤型5例全例が,lyl~3,pn2~3で,n(+)は1例であった.
索引用語
肝門部胆管癌, 肝切除術, 肝門部胆管癌長期生存例
日消外会誌 21: 2127-2132, 1988
別刷請求先
別府 真琴 〒662 西宮市六湛寺町13-9 県立西宮病院外科
受理年月日
1988年4月13日
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