Zollinger-Ellison症候群手術例の遠隔成績

斉藤　貞徳, 佐々木　巌, 内藤　広郎, 舟山　裕士, 神山　泰彦, 佐藤　寿雄

東北大学第1外科

　教室で経験した4例のZE症候群について術後遠隔時調査を行ったところ，肝転移を認めた症例を含め，その予後は良好であった．退院時に比べて遠隔時の空腹時血漿ガストリン値が低値を示した症例で，セクレチン負荷試験時のガストリンの反応量が退院時に比べて遠隔時の方がより著明に増加した症例を認めた．遠隔時における血清ガストリン値の測定は空腹時値における検討の他に負荷試験による検討も重要であると思われた．また，セクレチン負荷試験時に血漿pancreatic polypeptide（以下PP）値の総反応量が増加している症例を認め，血漿PP値を測定することは，本症の診断の助けとなる場合もあると思われた．

索引用語
Zollinger-Ellison症候群, 血漿ガストリン値, 血漿pancreatic polypeptide値, セクレチン負荷試験

別刷請求先
斉藤　貞徳　〒980　仙台市星陵町1-1　東北大学医学部第1外科

受理年月日
1988年4月13日

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