胸部食道癌における前屈位食道移動距離測定による術前他臓器浸潤についての検討

渡辺　泰章, 西平　哲郎, 北村　道彦, 加納　正道, 赤石　隆, 標葉　隆三郎, 関根　義人, 増田　真幸, 樋口　則男, 森　昌造

東北大学第2外科

　胸部食道癌の術前診断においてa₃を判定することは今なお難しく，現在種々の検査法の組み合わせにより判定している．新しいa₃判定の試みとして昭和57年より4年間に教室で経験した一期的手術を施行した胸部食道癌75例についてバリウム透視時に前屈位食道移動距離測定による術前a₃判定を試みた．a₃症例13例中10例が移動距離10 mm未満であり20 mm以上の症例は認められなかった．他の検査法に比べても精度が高く方法も簡便なので通常の術前透視と組み合わせて行うこともでき今後術前深達度判定に有用であると思われる．

索引用語
胸部食道癌, 食道癌他臓器浸潤の術前判定

別刷請求先
渡辺　泰章　〒980　仙台市星陵町1-1　東北大学医学部第2外科

受理年月日
1988年6月8日

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