原著
胃平滑筋性腫瘍19例の検討
古田 和雄, 山村 義孝, 紀藤 毅, 中里 博昭, 荒井 保明*
愛知県がんセンター消化器外科部, 同 放射線診断部*
胃原発の平滑筋腫9例(うち胃外型4例),平滑筋芽細胞腫2例(同2例),平滑筋肉腫8例(同6例)について,その臨床病理学的特徴と診断・治療上の問題点を検討した.筋腫は40歳代,肉腫は60歳代に多く,男女比は9対10であったが,男の胃外型6例中5例が悪性であった.占居部位はCとM,前壁と小弯に多かったが,Cと大弯の胃外型はすべて悪性であった.腫瘍径5 cm未満の4例は全例筋腫であり,潰瘍形成は筋腫3例,芽細胞腫1例,肉腫5例にみられた.診断には選択的動脈撮影とCTが有用であった,全例に手術が施行され,治癒切除となった悪性腫瘍9例中5例が再発したが全例男で胃外型であり,手術術式による差は認められなかった.
索引用語
胃平滑筋腫, 胃平滑筋芽細胞腫, 胃平滑筋肉腫, 胃外発育型胃平滑筋性腫瘍
日消外会誌 21: 2243-2247, 1988
別刷請求先
山村 義孝 〒464 名古屋市千種区鹿子殿1-1 愛知県がんセンター消化器外科部
受理年月日
1988年5月11日
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