原著
胆石に対する体外衝撃波破砕療法―単発結石30症例の臨床的検討―
村田 郁夫, 森 洋幸, 田中 隆, 坂部 孝, 加藤 貴史1), 小池 正1), 石井 淳一1), 峯尾 和宜2), 渡辺 哲弥2), 中村 哲夫2)
日本大学第3外科, 昭和大学外科1), 板橋中央総合病院2)
胆石に対する体外衝撃波破砕療法は1985年西ドイツ,ミュンヘン大学にて開始された.著者らも1987年6月より,Dornier社製体外衝撃波胆石破砕装置を用いて治療を施行しているので単発コレステロール胆石保有30症例につき臨床的に検討した.1)衝撃波による破砕治療中の合併症は全く経験せず安全に施行できた.2)破砕後,一過性の肉眼的血尿(20.0%)と便潜血陽性(26.3%)を認めた.破砕片の排泄によると思われる疝痛発作は9例(30.0%)にみられた.3)破砕後1カ月以内に10 例(33.3%)において胆石の消失が観察された.いずれも径30 mm以下,CT値20 HU以下の胆石であった.破砕療法はコレステロール胆石症治療に有効と思われた.
索引用語
胆石症, 胆石破砕療法, 胆石溶解療法, 体外衝撃波
日消外会誌 21: 2394-2398, 1988
別刷請求先
村田 郁夫 〒174 板橋区大谷口上町30-1 日本大学医学部第3外科
受理年月日
1988年6月8日
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