特集
潰瘍性大腸炎―21世紀をめざして―
今 充
弘前大学医学部第2外科
わが国の潰瘍性大腸炎は,1973年厚生省特定疾患潰瘍性大腸炎調査研究班が発足して以来,種々の点において大いに発展してきた.この班の成績と私達の教室の成績を基にし,21世紀への問題点につき外科治療を主体に論ずる.外科治療は適応と時期を的確に捕える限り安全確実な方法となってきた.その術式として,自然肛門温存術式がより多く採用され,また人工肛門造設は電子工学的手法や筋肉と神経移植による括約筋再建などによる機能的人工肛門を会陰部に造設することが期待される.本症の病因論不明の現在,外科的治療の予測は困難であるが,人類とある意味において共存している細菌の死滅せぬ限り,患者のquality of lifeを考えた外科的治療が必須となろう.
索引用語
潰瘍性大腸炎, 外科治療, 自然肛門温存術
日消外会誌 21: 2459-2463, 1988
別刷請求先
今 充 〒036 弘前市在府町5 弘前大学医学部第2外科
受理年月日
1988年5月27日
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