特集
肝内結石
中山 和道
久留米大学第2外科
当科の肝内結石治療の現況を述べ,その問題点についてふれ,21世紀への治療の展望について述べた.現在の術前診断は正確でなく,不必要な外科的治療が行われており,術前診断を正確にするため,経皮経肝的内視鏡下切石術はルーチン化する.術式では肝切除術は肝組織の荒廃を伴う限局性肝内結石病変に大いに行われ,一方肝組織が正常例はできるだけ肝を温存する傾向になり,その一術式として肝内胆管形成術が行われ,遺残結石予防のための附加手術はなくなると思われる.肝内左右型の進行したものでは肝移植の適応になるであろう.全般的には21世紀においては外科的治療は減少し内視鏡的治療が大幅に増えると推察される.
索引用語
肝内結石, 内視鏡的治療, 胆管形成術
日消外会誌 21: 2464-2468, 1988
別刷請求先
中山 和道 〒830 久留米市旭町67 久留米大学医学部第2外科
受理年月日
1988年5月30日
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