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第21巻 第11号 1988年11月 [目次] [全文 ( PDF 1019KB)]
原著

食道静脈瘤および肝癌患者における術後感染防御能の検討

中島 公洋, 下田 勝広, 小林 迪夫

大分医科大学第1外科

 肝硬変症の易感染性に着目し,食道静脈瘤44例,肝癌68例,胆石症25例について,好中球superoxide産生能(SOP),血漿fibronectin(FN)を術前,術後にわたって測定し,その変動と術後感染発生との関連を検討した.肝硬変症を中心とする肝障害例においては,術前すでにSOP,FNが低く,術後FNがさらに低下した状態において,SOPの上昇反応遅廷あるいは低下が観察され,このことが肝障害例の術後感染準備状態につながるものと考えられた.しかし,いったん感染が発生すれば,FNは低迷するのに対して,SOPは充分に上昇反応をおこすことが示された.

索引用語
好中球superoxide産生能, 血漿fibronectin, 食道静脈瘤, 肝癌, 感染防御能

日消外会誌 21: 2519-2528, 1988

別刷請求先
中島 公洋 〒879-56 大分県大分郡狭間町医大ヶ丘1-1506 大分医科大学第1外科

受理年月日
1988年7月31日

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