原著
胃切除後逆流性食道炎の防止を目的とした残胃空腸Roux-Y吻合術の適応
佐々木 哲二
東海大学医学部第2外科
胃切除例117例を再建術式別に術後逆流性食道炎について検索し,食道炎防止を目的とした残胃空腸Roux-Y吻合の適応について検討した.B-I法,B-II法再建例109例では,症状あるいは内視鏡所見いずれか一方の症例が22例,両者の症例が11例の33例に食道炎がみられた.これら食道炎例では,術前胃X線検査時に食道内逆流が90.9%にみられた.Roux-Y吻合再建例8例では,全例が術前食道内逆流がみられたにもかかわらず術後逆流性食道炎は1例もなかった,術前胃X線検査時に食道内逆流がみられる症例は,B-I法,B-II法による再建では術後逆流性食道炎の発生率が高く,Roux-Y吻合による再建の適応と考えている.
索引用語
術後逆流性食道炎, 胃切除後再建術, Roux-Y吻合術
日消外会誌 21: 2529-2534, 1988
別刷請求先
佐々木哲二 〒259-11 伊勢原市望星台 東海大学医学部第2外科
受理年月日
1988年8月26日
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