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第21巻 第12号 1988年12月 [目次] [全文 ( PDF 582KB)]
原著

食道癌における扁平上皮癌関連抗原TA-4の免疫組織学的検討

岡本 哲彦, 有森 正樹, 竹内 広

国立東京第2病院外科, 同 病理

 食道癌における扁平上皮癌関連抗原(TA-4)の組織染色性を免疫組織学的に検討した.食道癌21例を対象とし,PAP法で染色し光顕的に検討した.食道癌に21例中TA-4陽性は9例であった.角化傾向のある高分化,中分化例で陽性例が多く,低分化例はすべて陰性であった.深達度の進んだ症例で,陽性例が多かった.食道癌病変から充分離れた非癌部食道上皮を正常食道上皮とし,5例を検討した.正常扁平上皮は,いずれも表層および中層は染色されたが,深層は染色されなかった.検討症例中3例に異型上皮がみとめられたが,いずれの異型上皮も染色されなかった.4例の剖検胎児食道上皮は,いずれもTA-4陰性であった.

索引用語
扁平上皮癌関連抗原, TA-4, 食道扁平上皮癌, 酵素抗体法(PAP法)

日消外会誌 21: 2690-2694, 1988

別刷請求先
岡本 哲彦 〒152 目黒区東が丘2-5-1 国立東京第2病院外科

受理年月日
1988年9月14日

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