原著
臨床病理学的因子の数量化による結腸癌血行性転移の予知
永沢 治, 小棚木 均, 山崎 好日児, 日下 尚志, 成沢 富雄, 小山 研二, 深谷 雄一郎*, 山崎 匡*
秋田大学第1外科, 仙台オープン病院外科*
昭和51年から昭和60年に秋田大学第1外科で外科的切除を受けた結腸癌123例を対象として,結腸癌の血行性転移を数量化して予測することを試みた.血行性転移を有する37例と血行性転移を有しない86例の臨床病理学的因子を比較した結果,深達度,リンパ節転移,リンパ管侵襲,静脈侵襲,術前carcinoembryonic antigen(CEA)値の5因子で有意差を認めた.これら因子の血行性転移に及ぼす重みを,数量化II類による多変量解析を用いてスコア化した結果,リンパ節転移,静脈侵襲,術前CEA値の因子で血行性転移と強い関連を有した.該当する因子のスコアの総和として得られる症例スコアは,異なる施設の結腸癌血行性転移とも関連を認め,その予知に有用と考えられた.
索引用語
結腸癌, 結腸癌血行性転移再発, 結腸癌再発予知, 多変量解析
日消外会誌 21: 2752-2755, 1988
別刷請求先
永沢 治 〒010 秋田市本道1-1-1 秋田大学医学部第1外科
受理年月日
1988年9月14日
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