原著
stage IV 食道癌の外科治療
関 誠1), 松原 敏樹1), 木下 巌1), 土屋 繁裕1), 中川 健1), 高木 國夫1), 西 満正1), 梶谷 鐶1), 金田 浩一2), 山下 孝2), 柳沢 昭夫3), 加藤 洋3)
癌研究会付属病院外科1), 同 放射線科2), 癌研究所病理部3)
stage IV 食道癌の外科治療成績は,いまだ満足すべき結果とは言えない.根治切除しえた96例をおもに予後の面から,a因子,n因子に検討を加えた.a3症例に術後3年をこえる生存例はなく,再発部位をみると,局所再発よりもむしろ,血行性再発が多い傾向があった.一方n3(+)n4(+)例には,5年生存が8例あり,累積5年生存率は13%でありa3症例に比べ,比較的良好であった.とくに転移が胃上部周囲に限局している場合,5生率は34%と良好で,転移状況に応じたリンパ節郭清の徹底によりさらに予後の向上が期待できる.
索引用語
stage IV 食道癌, 食道癌の外科治療
別刷請求先
関 誠 〒170 豊島区上池袋1-37-1 癌研究会附属病院外科
受理年月日
1988年10月12日
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