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第22巻 第1号 1989年1月 [目次] [全文 ( PDF 791KB)]
原著

残存癌巣の程度からみた他臓器浸潤食道癌治療に関する検討

馬場 政道, 榎本 稔美, 草野 力, 喜入 厚, 牟礼 洋, 夏越 祥次, 田辺 元, 吉中 平次, 福元 俊孝, 愛甲 孝, 島津 久明

鹿児島大学第1外科

 他臓器浸潤胸部食道癌切除例70例を対象として切除の意義と問題点を検討した.絶対非治癒切除62例,相対非治癒切除8例(11%)で,合併切除は18例(26%)に行った.積極的に切除を行ったが,結果的に,わずかに遺残癌巣を認めた17例中10例(59%)を合併症で失った.死亡例の31%(20/65例)および術後2か月以内死亡の75%(18例)が合併症死であった.術後3か月以降の78%は再発,再燃による死亡であった.残存癌巣の程度とn因子の有無では,生存月数に有意の相違は認めなかった.術後2年以上生存した2例は他臓器への浸潤範囲がわずか(2 cm2未満)であり,合併切除を行い,相対非治癒切除となった症例であった.対象例の50%生存月数は4.5か月,3年生存率は3%であった.

索引用語
他臓器浸潤胸部食道癌, 食道癌の非治癒切除, 食道癌術後50%生存月数

日消外会誌 22: 16-23, 1989

別刷請求先
馬場 政道 〒890 鹿児島市宇宿町1208-1 鹿児島大学医学部第1外科

受理年月日
1988年10月12日

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