原著
早期胃癌の外科治療
紀藤 毅, 山村 義孝, 平井 孝, 坂本 純一, 安井 健三, 森本 剛史, 加藤 知行, 安江 満悟, 宮石 成一, 中里 博昭
愛知県がんセンター消化器外科
早期胃癌の手術例が近年増加しており,1985年末1,000例を突破した.これらの症例を対象に治療上の問題点を考察した.
リンパ節転移率はsmII-2において24.5%と高くR2以上の郭清が必要である.一方,m 1 cm以下の癌には縮小手術,レーザー内視鏡治療の適応も考えられる.非治癒切除が21例みられ11例が断端(+)であった.高分化型のIIb様病変に断端(+)が多い傾向である.
累積5年生存率はm 94.5%,smII-1 94.9%,smII-2 93.6%,また,累積再発死亡率はm 1.1%,smII-23.9%であり,早期胃癌の治療成績は良好である.一方,smII-2であって高分化型,リンパ節転移のあるもの,Borrmann型は再発率が高くhigh risk groupである.
索引用語
早期胃癌縮小手術, 再発のhigh risk group
別刷請求先
紀藤 毅 〒464 名古屋市千種区鹿子殿1-1 愛知県がんセンター消化器外科
受理年月日
1988年10月12日
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