原著
胃癌手術前後における非特異的免疫学的指標の推移
小林 一雄, 加瀬 肇, 本田 亮一, 永澤 康滋, 柳田 謙蔵, 蔵本 新太郎, 吉雄 敏文
東邦大学第1外科
81例の胃癌手術前後に非特異的免疫能を観察し,それぞれの状況下でどの指標が免疫能を反映し,いかに推移するかを検討した.術前に進行の程度を示す指標はリンパ球数とPPD皮内反応であった.手術侵襲の免疫能への影響と担癌除去後の回復を示す指標は,前者でリンパ球数,PPD皮内反応,OKT3,4細胞比,OKT4/OKT8比が,後者でLeu7,11細胞比,PHA・ConAリンパ球幼若化反応がそれらを示した.非治癒切除となった症例の術後にはリンパ球数,OKT3細胞比,IgG-FcR(+)T細胞比に,非切除手術例ではリンパ球数,OKT8細胞比,OKT4/OKT8比に免疫能の低下が認められた.以上の指標はそれぞれでの免疫能を示しており,補助療法施行時にも有用となる.
索引用語
胃癌患者の免疫能, 非特異的免疫パラメーター, 胃癌の進行度
別刷請求先
小林 一雄 〒143 大田区大森西6-11-1 東邦大学医学部第1外科
受理年月日
1988年10月12日
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