原著
肝細胞癌切除例の残肝再発に関する検討
山本 宏, 山本 義一, 竜 崇正*, 菊池 俊之, 天野 穂高, 丸山 尚嗣, 古川 敬芳, 吉田 雅博, 岡住 慎一, 浅野 武秀, 碓井 貞仁, 奥山 和明, 磯野 可一
千葉大学第2外科, *千葉県がんセンター
肝細胞癌切除例の残肝再発に関与する因子の分析,再発に対する治療に関して肝細胞癌切除例95例を対象に検討した.再発は95例中51例(54%)にみられ,再発に関与する因子の分析は累積無再発率を求め,検討した.その結果,主腫瘍の大きさでは3.1 cm以上,被膜浸潤,門脈腫瘍栓,肝内転移については陽性例が再発を来しやすく,肝内転移が最も強く再発に関与することが示された.再発の治療においては肝動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization以下TAE),再切除,抗癌剤のone shot動注,エタノール局注,放射線治療を再発の状況に応じ,選択することが重要であり,また,多発再発の危険性の高い症例では術後確実にTAEができるような処置を行うことが必要と考えられた.
索引用語
肝細胞癌切除例, 残肝再発, 再発肝癌の治療, 肝再切除
別刷請求先
山本 宏 〒280 千葉市亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科
受理年月日
1988年10月12日
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