原著
大腸手術における術前腸管処置の検討―Netilmicin,Metronidazole併用投与の有用性について―
佐々木 明, 小長 英二, 竹内 仁司, 後藤 精俊, 片岡 和彦, 山下 博士, 片岡 正文, 岩藤 浩典, 大石 正博
国立岩国病院外科
大腸手術37例の術前腸管処置法を,通常の機械的処置に加えNetilmicin(NTL)を1回100 mg,Metronidazole(MET)を1回250 mg,共に1日4回,3日間経口投与とした.また術後予防的化学療法剤にはCefmetazoleを全身投与した.これらの症例の腸内細菌叢について薬剤投与前後の菌数変動,術創の汚染菌,術後創感染について検討した.NTLとMETの併用投与により,糞便1 g中の好気性菌数,嫌気性菌数がともに著明な減少を示した.検出された術創汚染菌は腸内常在菌がほとんどで,術後創感染率は2例(5.4%)と低率であった.
索引用語
大腸手術, 術前腸管処置, 腸内細菌叢, 術後創感染, 嫌気性菌
別刷請求先
佐々木 明 〒753 山口市泉都町9-13 佐々木外科病院
受理年月日
1988年10月12日
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