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第22巻 第2号 1989年2月 [目次] [全文 ( PDF 692KB)]
原著

肝細胞癌の肝内進展様式と切除後残肝再発との関連性に関する研究

山本 雅一

東京女子医科大学消化器病センター(主任:羽生富士夫教授)

 82例の肝細胞癌切除例の切除標本について肝細胞癌の肝内進展様式を検索し,残肝再発との関連性について検討した.再発は52例に認め,そのうち51例が残肝再発であった.再発の時期は42例が術後2年以内であった.2年以内に残肝に再発した症例は非再発例と比較し有意に生存率が低かった(p<0.001).2年以内残肝再発と有意な関連を認める肝内進展様式は被膜浸潤,肝内転移であり,門脈侵襲の有無では有意差を認めなかった.これら3つの肝内進展様式は相互に有意な関連があり,これらをまとめて肝細胞癌の肝内進展因子とすると,この因子の有無にて残肝再発に有意差を認めた(p<0.01).

索引用語
肝細胞癌に対する肝切除術, 肝細胞癌残肝再発, 肝細胞癌肝内進展様式

日消外会誌 22: 205-211, 1989

別刷請求先
山本 雅一 〒162 新宿区河田町8-1 東京女子医科大学消化器病センター

受理年月日
1988年10月12日

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