原著
腹膜播種を有するBorrmann4型胃癌に対する温熱・化学療法とsecond look operation
米村 豊, 藤村 隆, 竹川 茂, 片山 寛次, 杉山 和夫, 伏田 幸夫, 鎌田 徹, 長谷川 啓, 小坂 健夫, 山口 明夫, 三輪 晃一, 宮崎 逸夫
金沢大学第2外科
腹膜播種を有するBorrmann4型胃癌15例にCisplatin・MMC大量添加生食水で持続温熱腹膜灌流(CHPP)を行った.これら症例のうち11例に計15回のsecond look operationを行い,腹膜播種の程度を比較観察した.CHPPの奏効率は30%(3/10)で,奏効度はCR2,PR1,NC1,PD6例であった.また腹水のみられた5例中3例に腹水の消失がみられた.
生存率は1生率63%,2生率48%,3生率24%と,同期間にCHPPが施行されなかった腹膜播種を有するBorrmann 4型胃癌17例の生存率(それぞれ21%,0%,0%)にくらべ有意に良好であった.
以上よりCHPPは腹膜播腫を有するBorrmann 4型胃癌の外科治療後の補助療法として有効な方法と考えられた.
索引用語
Borrmann 4型胃癌, 胃癌腹膜播種, 癌温熱化学療法
別刷請求先
米村 豊 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科
受理年月日
1988年12月14日
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