特集
漿膜浸潤胃癌の術後腹膜再発防止対策としての持続温熱腹膜灌流療法
貝原 信明, 前田 迪郎, 清水 法男, 飯塚 保夫, 浜副 隆一, 古賀 成昌
鳥取大学医学部第1外科
治癒切除がなされたse胃癌の術後5年生存率はR248.4%(n=182),R350.9%(n=159)であり,これをリンパ節転移程度別に検討してもR2とR3とでほとんど差はみられなかった.ダブラス窩洗浄細胞診にて,se胃癌治癒切除例の21%(30/142)に腹腔内遊離癌細胞が検出され,これらの術後生存率はきわめて低く,大部分は腹膜転移にて死亡した.術中肉眼的に漿膜浸潤陽性で治癒切除と判定された例を無作為に2群にわけ,持続温熱腹膜灌流療法の効果を検討した.その結果,対照群の5生率58.3%(n=53)に対して本法施行群では76.2%(n=55)という成績が示された.漿膜浸潤胃癌では積極的な腹膜再発防止対策が必要である.
索引用語
漿膜浸潤胃癌, 腹膜再発, 持続温熱腹膜灌流療法
日消外会誌 22: 1001-1004, 1989
別刷請求先
貝原 信明 〒683 米子市西町36-1 鳥取大学医学部第1外科
受理年月日
1988年10月12日
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