漿膜露出胃癌の腹膜再発防止を目的とした遺伝子組換え型interferonβ腹腔内投与の試み

高嶋　成光^1）, 佐伯　英行^1）, 多幾山　渉^1）, 栗田　啓^1）, 曽我　浩之^1）, 棚田　稔^1）, 石田　数逸^1）, 大田垣　純^1）, 村上　正和^1）, 土井原　博義^2）, 森脇　昭介^2）

国立病院四国がんセンター・外科^1）, 病理^2）

　漿膜露出胃癌の腹膜再発防止の目的でRecombinant interferon-β（IFN-β）の術後腹腔内投与を試みた．
　胃癌癌性腹水10例では著効2例，有効4例（奏効率60％）を得た．特に低分化腺癌，印環細胞癌に強い効果を認めた．発熱以外の重篤な副作用はなく，剖検例の検索で癒着を促進するような刺激作用は認めなかった．漿膜露出胃癌13例に対する術後腹腔内投与では，縫合不全，イレウスなどの合併症は無く治癒手術例では腹膜再発を認めていない．
　S₂，肉眼的治癒手術例を対象にIFN-βの術後腹腔内投与の有無での比較試験を行っており，術後補助療法としての本法の評価を明らかにしたいと考えている．

索引用語
胃癌, 腹膜転移, interferon

別刷請求先
高嶋　成光　〒790　松山市堀ノ内13　国立病院四国がんセンター外科

受理年月日
1988年10月12日

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