特集
肝障害と手術侵襲―食道静脈瘤治療法の選択
三條 健昌, 平田 勝, 皆川 正己, 柴崎 正幸, 国土 典宏, 小山 広人, 坂本 裕彦, 針原 康, 大友 裕美子, 大橋 一雅, 川崎 誠治, 出月 康夫
東京大学医学部第2外科
教室では,昭和24年以来食道静脈瘤の治療として主に外科治療を施行してきた.昭和39年まではシャント手術を行ったが,肝性脳症が46%に発生したので昭和39年以後は,直達手術を治療法として選択してきた.なお,昭和54年以後,肝機能不良例,肝癌非切除例,再発例,手術拒否例に対しては内視鏡的硬化療法を行っている.東大二外法の10年累積生存率は,肝外門脈閉塞症,93%,特発性門脈圧亢進症81%,肝硬変症のChild分類別では各々A:55.3%,B:38.9%,C:16.2%であり,経腹的食道離断術では,4年累積生存率が90%であることから肝障害軽度例Child分類A,Bに対しては,現在,経腹的食道離断術を行っている.
索引用語
肝障害, 食道静脈瘤, 食道離断術
日消外会誌 22: 1014-1017, 1989
別刷請求先
三條 健昌 〒113 文京区本郷7-3-1 東京大学医学部第2外科
受理年月日
1988年10月12日
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