特集
食道静脈瘤手術における肝障害と手術侵襲を考慮した手術適応基準
田尻 孝, 恩田 昌彦, 梅原 松臣, 山下 精彦, 金 徳栄, 鄭 淳, 足立 幹夫, 山田 和人, 吉田 寛
日本医科大学第1外科
保存的治療法が確立されつつある現在,食道静脈瘤の手術は,安全で良好な成績が得られなくてはならない.そこで教室の手術成績から,適応基準を(1)待期・予防例,(2)Child A・B,(3)PT<15秒,(4)HPT≧50%,(5)K・ICG≧0.06,(6)75 g-OGTT parabolic pattern,(7)年齢≦65歳,(8)肝癌(-)と設定された.この適応基準は特殊な検査を必要とせず,routineの検査に基づいて設定されたものであり,基準設定後の手術成績から,肝障害と手術侵襲を十分に考慮された適切なものと考えている.
索引用語
食道静脈瘤, 肝障害, 手術適応基準
日消外会誌 22: 1018-1021, 1989
別刷請求先
田尻 孝 〒113 文京区千駄木1-1-5 日本医科大学第1外科
受理年月日
1988年9月14日
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