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第22巻 第4号 1989年4月 [目次] [全文 ( PDF 334KB)]
特集

硬変肝肝切除術中術後の水・ナトリウム負荷の評価

津下 宏, 三村 久, 浜崎 啓介, 柏野 博正, 折田 薫三

岡山大学第1外科

 肝硬変合併肝細胞癌で肝切除術を受けた8症例を対象とし,水・ナトリウム利尿に相反作用を有するホルモンと全身循環動態の変化を測定し,われわれの行っている水・ナトリウム制限のない輸液管理について評価した.硬変肝肝切除術後3日目は1日目に比べ心房性ナトリウム利尿ペプチド値は有意に上昇し血漿アルドステロン値は有意に低下した.平均肺動脈圧と肺動脈楔入圧は術後3日目は1日目に比べ軽度だが有意に上昇した.これらの結果より硬変肝肝切除術での水・ナトリウム制限のない輸液管理は術後1日目は有効循環血液量不足を予防し,3日目は軽度の増加を生じていた.術後3日目からの水・ナトリウム制限が必要と思われた.

索引用語
硬変肝肝切除術, 心房性ナトリウム利尿ペプチド, 輸液管理

日消外会誌 22: 1031-1034, 1989

別刷請求先
津下 宏 〒700 岡山市鹿田町2-5-1 岡山大学医学部第1外科

受理年月日
1988年10月12日

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